撮影スタジオ、ロケ地の利用に慣れていても、特殊なロケ地だと個別に事前・当日に注意すべき事項がいくつかあります。廃墟のオーナー・管理者目線で、今回は初めて和物廃墟を利用される場合の注意点を、弊社管理物件を例にいくつかまとめましたので参考にしてください。

1.廃墟スタジオ撮影時の基本的な注意事項
撮影スタジオにおける撮影メンバーさんの怪我や事故、機器の破損や他者とのトラブルなどについて施設側は責任を負わない「免責事項」となっております。そういったことへのケアは、イベント保険等への加入などご利用者様にて対応いただく必要があります。セットやCGで出せない雰囲気を守るために「整えない」ようにしている箇所も多くございます。都市型の設備の整ったスタジオとは異なることを前提にお考えください。
2.演者さん・スタッフさんの安全対策
アレルギーや恐怖症
古い建物で且つ撮影時以外は利用していないため、埃や粉塵などがある・舞うこともありえます。野生動物の行き来も可能性としてあるため、そういったアレルギーがある方へ配慮の上、撮影にのぞんでください。「ほっこり堂埼玉」のように、近くに薬局も病院も無い僻地のロケーションであることがあります。光があまりなく物陰多くて暗くて、成人男性でも1人だとかなり怖い空間です。物に囲まれた狭い所もあったりしますし、蜘蛛の巣や虫、野生の動物が隠れていることもあるかもしれません。そういった物に対して極度に耐性ない方は無理なさらないようにお願いします。
建物の壊れ、崩壊への注意
建物自体や造作が破損、壊れが生じているところが多数あります。責任者さんやご自身にて安全確認を十分に行なった後に、移動や設置をお願いします。寄りかかったり、はしゃいで飛び跳ねたりした反動で床が抜けることなどがありえます。撮影グループのどなたかにて壊されたものがあったら、大小問わず管理者へ連絡ください。内容が甚大な場合は、修復費用の請求をさせていただく場合があります。
3.車でのアクセス
廃墟・廃屋は大きな道路に面していないことご多いです。車のすれ違いが難しかったり、大型のバスだと侵入自体が難しいことがございます。駐車場のキャパにも限りがありますので、車のサイズと台数について、管理者との事前すり合わせをお願いします。車関係のケアもロケハンにて行うことをお勧めします。
4.電気ガス水道などライフライン
廃墟スタジオでは、電気は通っていても漏電ケアなどが十分で無いため、電気りよが出来ないところが多いです。ガスやネットなども当然なく、上下水を無いためトイレや衛生ケアが必要となります。発電機の持ち運びや騒音についても事前に確認ください。
5.近隣住民へのケア
車を停める場所や撮影で立ち入りできる場所を予めお知らせします。他者私有地への無断立入や木や花などを折ったり摘んだりすることもおやめください。ただ、ロケ地敷地内であれば事前に確認いただければ木や花などの取って使用することはほとんどokになるかと思います。あとは、騒音と強すぎる光、ゴミの投棄も控えてください。地域住民からのクレームや損害金の請求などあった場合、当方に瑕疵なきものに関しては当事者間にて解決していただく場合があります。廃墟スタジオは田舎や僻地に多いですが、田舎だからといって平穏を脅かされる場合極めてシビアな対応をされることありますので、ご承知おきください。
6.公地への配慮
道路や河川などの国や自治体管理の場所について、通行止めや長時間利用の場合は別途申請が必要になります。その場合は許可申請を別途お願い致します。
7.休憩、着替えの部屋、トイレ
ほっこり堂の3廃墟は、全て演者さんスタッフさん用の休憩・着替え・メイクできる部屋・トイレある建物を別途用意しております。千葉大網の廃墟の場合は、廃墟から徒歩1分、埼玉比企郡ときがわ町の廃墟の場合は車で5ふん、成田の廃墟は車で15分ほどの距離にそれぞれあります。
色々ご説明しましたが、色んな不便などへの対処をしても余りある凄く感動的な本物のロケ地だと利用いただいた映像や写真のプロの方がおっしゃいます。百聞は一見にしかず、是非とも気軽にロケハンに来て見てくださいませ。